新主将・小林には得点力にも期待かかる
風間監督のチームでコーチを務めていた鬼木監督は、前任者の戦い方をある程度踏襲すると見られる。常に攻撃的に振る舞う姿勢は川崎Fのアイデンティティになりつつあり、新監督がそれをどこまで高められるかに注目だ。
今季はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)に出場するため、シーズン序盤から日程が過密になっている。当然週に2試合戦わなければならないこともあり、ほどよくターンオーバーしながら、いかにパワーを落とさず戦うかが求められる。
これまでの川崎Fであれば、ACLである程度主力を温存してしまうとチーム力が損なわれてしまうこともあったが、今季のメンバー構成を見る限り選手起用のレパートリーが多く、状況に応じて形を変えながら臨機応変に戦える陣容になっている。
複数ポジションをこなせる選手が多く、たとえば3バックの場合は田坂祐介が昨季のように右ストッパーに入る形や、家長昭博が2トップの一角を務める形も見られるだろう。3バックと4バックを試合によって変えていくことも想定される。
唯一の懸念点は中盤の中央に代えの利かない選手が多いことか。中村憲剛は言わずもがな、大島僚太やエドゥアルド・ネット、2人のうちどちらかが離脱してしまうとチーム全体のクオリティに大きな影響が出る。パスワークの核でもあるボランチ、あるいはトップ下の出来が今季の成績に直結するかもしれない。
大久保退団で年間総得点のおよそ4分の1を失い、小林の肩にはキャプテンだけでなく新たな得点源としての重圧もかかってくる。そこで他の選手たちが奮起し、全員で助け合っていけるか。今季を戦い抜くには昨季以上にチームとしての総合力が問われる。
【次ページ】診断