弱点が少ないチェルシー。リーグ優勝へ死角なし
前線と中盤がボールを奪いきらずとも、バランスよくプレスを掛けることで相手はボールを下げるか、ロングボールを蹴るかの選択肢しかなくなる。チェルシーの守備を見ていると、優れたラグビーチームのディフェンスのように相手にゲイン(前進)をさせない。
現在のチェルシーは両ウイングバックが高い位置を保ったまま守備ができる(=中盤を厚くできる)という3バックのメリットを存分に生かし切っている。だからこそ右のウイングバックにビクター・モーゼスという本来ウインガーの選手を起用しても、守備に大きな綻びは生まれない。
チェルシーの守備を破るためには攻守の切り替えで負けず、なおかつ組織的なプレスを剥がしていくだけの技術とスピードが必要になる。そして押し込むことで5バックの状態を作り出す。それを実行したのが第20節でチェルシーの連勝記録を止めたトッテナムだった。2得点ともモーゼスが絞り切れず、同じような形で右サイドからのクロスにデレ・アリが飛び込んだ。
しかし、この戦いを90分実行できるチームはそう多くはない。さらにチェルシーを追うビッグ6の他のチームはチェルシー以上に多くの問題を抱えている。リバプールやシティであれば守備の弱さ、ユナイテッドであれば決定力不足。全てを考慮すると、やはりチェルシーの優勝はほぼ間違いないと言えそうだ。
(文:小澤亮太)
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