崩しの切り札が長期離脱。サンプ戦勝利の鍵は?
こういう時はスソかジャコモ・ボナベントゥーラが局面を打開してくれていたのだが、前節ではそのボナベントゥーラが前半のうちに負傷交代。そして左大腿部内転筋の腱断裂が発覚し、フィンランドの専門外科医のもとで再建手術を施される。回復には4ヶ月を要する見込みで、今季残り試合の出場は絶望的となった。
おまけにサイドバック陣にも故障者が続出し、本来はセントラルMFのユライ・クツカのコンバートまで噂されている状況だ。こんな状況で迎える相手はサンプドリア。前節はローマを破った。
前半戦での対決では、ミランが内容でサンプドリアに押されながら辛くも勝利を得た。果たして今回はどうか。サンプドリアは戦術家マルコ・ジャンパオロ監督の指導で試合ごとに連携を高め、若い選手たちも急成長。最近ではベルギーの新星デニス・プラートが台頭し、21歳のチェコ人FWパトリック・シックがスーパーサブとして活躍している。
ジャンパオロ監督ならば、前節で露呈したミランの戦術的なウイークポイントを次々と緻密に突いてくることだろう。そんな彼らにどう対抗するのか。「ミランで3バックは禁止されている」とモンテッラ監督は冗談交じりに基本システムの変更を否定したが、ボナベントゥーラのいない今、チームが機能しないようなら戦術の変更を余儀なくされることになるかも分からない。
なおボナベントゥーラの代役には前節途中出場だったジェラール・デウロフェウが先発する模様。駆け込みでジェノアからレンタルで獲得した(正式にはオリンピック・マルセイユの保有選手)ルーカス・オカンポスは、ハル・シティへの移籍を拒否してミラン残留を決めたとされる本田圭佑らと同様にベンチスタートととなる。
(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)
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