J1の舞台での初共演は、いつ実現するか
同世代の盟友たち、もっといえばカズ(三浦知良=横浜FC)や中山雅史(J3アスルクラロ沼津)、ジュビロ磐田に新天地を求めた中村俊輔をはじめとする年上の選手たちが頑張っている姿が刺激になると、稲本も闘志を高ぶらせる。
「僕らくらいの年齢になって引退する選択をする人も、もちろんいると思います。それでも、まだピッチで頑張っている人数は多いと思うし、やっぱり負けたくないという気持ちはすごくありますね。やっぱり僕らの年代、ベテランと呼ばれる選手たちがもっと頑張って、引っ張っていけたらと思います」
6日まで行われる沖縄キャンプ、その後の熊本県での第2次キャンプで、稲本は対人プレーを含めて全体練習に全面的に参加して、ゲーム体力やゲーム勘を取り戻していく段階に入る。黄金世代を象徴する2人のベテランへ、四方田監督はこんな期待をかけながら復帰を待っている。
「イナ(稲本)ならば守備で勢いをつけて相手を潰して、そこから思い切って出ていって得点に絡む。シンジ(小野)ならば他人にはできないような、得点につながるプレーができる。彼らが積み重ねてきた経験は、J1の厳しいゲームのなかで必ずいい影響をチームにもたらしてくれるので」
岡田武史監督のもとで残留を果たした2001シーズンを除いて、コンサドーレは1998、2008、2012シーズンとすべて1年でJ2への降格を強いられてきた。稲本も「間違いなく去年よりも厳しい戦いになる」と覚悟しながら、MF兵藤慎剛(横浜F・マリノス)らの新戦力が加わった新チームに手応えを感じている。
「クオリティーの高い新しい選手が集まってきているし、そのなかでこれまで積み重ねてきたものにプラスアルファしていけるキャンプになっていると思う。あとは実戦で結果を残していくことですね」
J1の舞台では初共演となる2人のランデブーは、果たしていつ実現する。敵地に乗り込む2月25日のベガルタ仙台戦から幕を開ける、全34試合を戦う長丁場へ。J1定着を目指すコンサドーレの戦いに、日本中のサッカーファンが注目する要素が加わった。
(取材・文:藤江直人)
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