地元メディアからは批判も…
一方フォーファナやヤンクトは、攻撃に回ると大胆に仕掛けた。もともと攻撃センスは高く、ミランの選手が囲んで来ればそれをドリブルでかわし、前にボールを運ぶ。チーム2点目のアシストはそのヤンクトによるものだった。
実はこの若者たち、これまでは地元ウディネのメディアからかなり批判されていたのだという。ルイジ・デルネーリ監督下では主力で、ヤンクトが2得点、フォーファナに至っては4得点とMFとしては上出来な数字も出しているのだが、「守備が軽い」の大合唱。
特に3連敗を喫したこの3試合では批判も強かったという。アフリカ・ネーションズカップ開催のためエマヌエル・バドゥーを欠く状況の中、もともと攻撃的なインサイドハーフだったハルフレッドソンを中盤の底にコンバートしたのも、彼らの守備力を補う意味合いが強かったのだという。
しかし、この日のミラン相手にはほぼ完璧に機能。引退したアントニオ・ディ・ナターレの後を継ぐように攻撃の柱として機能するシリル・テロー、そして一人でミランのCB2人を振り回していたドゥバン・サパタらとの連携も良好で、守備をやりつつフィニッシュワークまで持って行くことができていた。ボールはそこそこキープしても最後のところが常に雑だったこの日のミランとは異なるところだ。
世界各国の若手を育てて売る経営方針を取るウディネーゼ。バドゥーや、この日は欠場したシルバン・ウィドマーらのように、今後はデ・ポールやヤンクト、そしてフォーファナが移籍市場でも注目の存在になることは、そう遠い話ではないかもしれない。
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