数々の名勝負を生んだトヨタカップ【写真:Getty Images】
国際サッカー連盟(FIFA)が「クラブ世界王者」として正式に認めているのは、2000年以降開催されているFIFAクラブ・ワールドカップの優勝チームのみだという。ブラジル『エスタード・デ・サンパウロ』が27日付で伝えた。
FIFAクラブW杯は2000年に第1回大会が開催されたあと、2005年からは毎年開催。6大陸の王者であるクラブと開催国代表クラブが世界一の座を懸けて争っている。日本で昨年12月に開催された2016年大会では、欧州王者のレアル・マドリーが開催国王者の鹿島アントラーズを決勝で下して優勝を飾った。
クラブW杯の設立以前には、欧州王者と南米王者のみが激突する形で、「インターコンチネンタルカップ」が1年に一度開催されていた。1960年にホーム&アウェイ形式で開始されたこの大会は、1980年以降は中立地である日本での一発勝負で行われる形となり、日本では一般的に通称の「トヨタカップ」の名で親しまれる試合となった。
一般的にインターコンチネンタルカップ(トヨタカップ)はクラブW杯の「前身」とされ、優勝チームはその年の「クラブ世界王者」とみなされることもある。だが、現在のFIFAの見解によれば、「世界王者」と認められるのはクラブW杯設立以降に同大会で優勝を飾ったチームのみのようだ。
『エスタード・デ・サンパウロ』は、1951年に開催された「コパ・リオ」の優勝チームであるパルメイラスを初代のクラブ世界王者と認めるかどうかについてFIFAに質問状を送付したという。ユベントスなど欧州のクラブも参加して行われたこの大会は、インターコンチネンタルカップに先立ち、初めて行われたクラブの世界大会だとされている。FIFAも大会を認定・協賛していたという。
FIFAはこの質問状に対し、クラブW杯優勝チームのみを世界王者と認める旨の回答を送付したとのことだ。「6大陸代表の参加するクラブW杯をFIFAが主催し始めたのは2000年からであり、その勝者こそがFIFAにより公式にクラブ世界王者とみなされる」とFIFAは回答。インターコンチネンタルカップ(トヨタカップ)の勝者は「コパ・リオ」優勝チームと同じく、正式な世界王者とは認められないという見解が示された。
これまで13大会が開催されたクラブW杯では、バルセロナが3回、レアル・マドリーとコリンチャンスが各2回、サンパウロ、インテルナシオナル、ミラン、マンチェスター・ユナイテッド、インテル、バイエルン・ミュンヘンが各1回の優勝を飾っている。“公式“のクラブ世界王者はこの9クラブのみということになるようだ。
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