「移籍するときは、馴染めるかいつも心配」
高校卒業を待たずにユースからトップチームへ昇格し、ガンバ大阪でプロとしての第一歩を踏み出したのが2004年7月。新たにユニフォームに袖を通した川崎フロンターレが、14年間で延べ9つ目のチームとなる。もっとも、移籍を決断するたびに家長昭博は一抹の不安を抱いてきた。
「移籍するときには、(新しいチームに)馴染めるかどうかいつも心配なんですけど」
今回は杞憂に終わる。始動を目前に控えた今月14日。フロンターレの公式ツイッターが、バナナのかぶり物をした姿で、笑顔を浮かべながらバナナをほおばろうとしている家長の画像を公開した。
大黒柱の中村憲剛であれ誰であれ、フロンターレにはスポンサーの食品大手ドールとのコラボレーションで、バナナをかぶる伝統がある。クールで寡黙なイメージが強い家長がさっそく実践している姿は、ファンやサポーターの反響を呼んだ。
キャンプ中の22日午後に宮崎県から一時帰京して、他の新加入選手とともに臨んだ2017シーズンの新体制発表記者会見では、挨拶の順番が回ってきたときに「パーソナルな紹介を自分でしようと思います」とおもむろに切り出した。
「サポーターの方々からは、よく『あまりしゃべらへん、笑わへん』と思われますが、茶目っ気たっぷりのよく話す関西人なので、気軽に話しかけてください。ちなみに、好きな食べ物はバナナです」
ここでもバナナを強調。軽妙なトークとともに、会場となった川崎市内の昭和音楽大学に集まったファンやサポーターの爆笑と拍手を誘った。会見終了後には、ツイッターの件も含めてこんな言葉を残してもいる。
「フロンターレは馴染みやすくて、自分でもびっくりしています。このクラブは、以前からPR活動とかがすごいじゃないですか。来てみて実際にすごいと思いました。性格ですか? あまり変わっていないですよ。内々ではいつもこんな感じでしたので」