昨シーズン全試合スタメンの両翼も健在
磐田のサイドアタッカーといえば、アダイウトンと太田吉彰がいる。昨シーズン、彼らは共にリーグ戦全試合スタメン出場しており、チームに欠かせない存在だ。
彼らの貢献度の高さに疑問を挟む余地はない。太田は衰えぬ走力で磐田の右を支えており、守備に戻ったかと思えば次の瞬間には高い位置まで駆け上がり、味方のパスコースを創出。精度の高いクロスが武器で、昨シーズンは元イングランド代表のジェイとホットラインを築いた。
アダイウトンにしても、そのダイナミックな突破で相手の守備を“破壊”できる。その威力がJ1に知れ渡ると、彼には複数のマークがつくようになった。細かいミスが目立つこともあるが、いい意味で予測が難しいプレーで相手を撹乱。J1初挑戦で6得点とまずまずの結果を残している。
今シーズンも4-2-3-1で臨むとして、チームへの貢献度、相手に与える脅威などを考えれば、磐田の両翼は太田とアダイウトンがスタメン候補の筆頭だ。
では、松浦や松井にチャンスがないかと言えば、そんなこともないだろう。タッチライン際を何度も疾走するようなタイプではないが、うまく味方と呼吸を合わせながら、相手守備網の隙を縫っていくことができる。太田、アダイウトンとは異なる持ち味がフルに発揮されれば、磐田のサッカーの幅も広がるはずだ。
昨シーズン以上の成績を残すためにも、松浦と松井にもさらなる奮起が求められる。そうなれば競走も激しさを増し、面白くなりそうなのだが。
(取材・文:青木務)
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