「さらに前に行ってみたい、それが密かな野望」(松浦拓弥)
「今年はゴールに近づきたい。いつもアシストの一個前のイメージだから。それはそれで継続しつつ、パスを出した後にゴール前に入っていけるよう意識していきたい。そうすればボールが返ってくることもあるだろうし、こぼれ球も転がってくると思う。さらに前に行ってみたいかな、というのが密かな野望」
松浦拓弥はそう言ってどこか照れくさそうに笑った。「自分の武器を磨くこともそうだし、わかりやすくゴールやアシストを増やす」と決意を見せる。チーム内のポジション争いを勝ち抜くことを第一の目標として掲げ、自身のストロングポイントに新たな色を加えるつもりだ。
昨シーズンはリーグ戦26試合に出場したものの、スタメンは2回にとどまった。この数字からわかるのは、松浦がスーパーサブとして重宝されているということだ。どんな時間帯に出場してもチームを躍動させられるため、指揮官としてもベンチに置いておきたい気持ちがあった。実力的にはスタートから出場してもおかしくなかったが、試合の流れを変化させることのできる能力は、磐田にとって貴重なスパイスだった。
【次ページ】松浦のプレーに好印象を抱いた中村俊輔