大物外国人選手は“魔法の杖”ではない
神戸は彼に対し、特別扱いはしないという姿勢を明確に示しているように見える。例えば、ポドルスキがプレシーズンキャンプにおいて他の選手と相部屋で過ごさなければならないというニュースも先週伝えられていた。ネルシーニョ監督は賢明な老将であり、新加入選手からいかにして最大限の力を引き出し、チームの一員として組み込むべきかを十分に理解しているだろう。
チームとしても、過去から学ばなければならない。昨年は、2ステージ制の恩恵により成功を収める大きなチャンスを得られたとはいえ、ヴィッセルは過去にも増して波が激しく、チャンピオンシップ出場に必要な安定感を維持することはできなかった。
シーズン最後の10試合では1敗しかせずに8勝を挙げ、その中にはACL出場権を獲得した鹿島、浦和、川崎F、ガンバの4チームに対する勝利も含まれていた。最終的にセカンドステージは2位で終えている。だが5月14日から6月25日にかけての7試合の結果が彼らの二面性を示しており、年間総合順位は中位の7位どまりだった。
ポドルスキが加入することになれば、それは間違いなく決意表明であり、昨年11ゴールを記録したペドロ・ジュニオールの代役として強烈な補強となる。だが、チームはすでに有力な得点源を有しており、2016年はリーグ4位の得点数を記録していたという事実も忘れてはならない。
レアンドロは19ゴールを挙げ、サンフレッチェ広島のピーター・ウタカと並んでの得点王に輝いた。キャプテンの渡邉千真も二桁の12ゴールを記録。だが守備面では43失点を喫しており、年間総合首位の浦和より15点も多かった。改善が必要な部分はそこにもある。
抜け目のないネルシーニョは、ポドルスキの存在が神戸を栄光へと導く魔法の杖とならないことを理解しているだろう。この補強が成功し、ハッピーエンドを迎えるためには、クラブに関わる他の全員が同じ意識を持つことが欠かせない。
(文:ショーン・キャロル)
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