ポドルスキは神戸を優勝候補に押し上げる助けになるが…
DAZNによる資金投入が日本のファンの期待を高めたとはいえ、このオフシーズンの移籍市場での動きは、大半が典型的なJリーグらしいものでしかなかった。いつも通りの日本人選手の移動と、何人かの見慣れたブラジル人たちが新天地へ移っただけだ。
中村俊輔が横浜F・マリノスとのほろ苦い別れを経てジュビロ磐田へ移籍したことと、大久保嘉人が川崎フロンターレから多摩川を渡ってFC東京へ移ると決めたことがこれまで特筆すべき2件の動きであり、最大の注目を集めることになった。工藤壮人のサンフレッチェ広島加入、家長昭博のフロンターレへの移籍、大宮アルディージャが清水エスパルスから大前元紀を獲得したことなども興味深い動きではある。
一方でブラジル人選手はこれまで以上によく動いている。ウイルソンとハモン・ロペスはベガルタ仙台を離れてそれぞれヴァンフォーレ甲府と柏レイソルへ移り、浦和レッズは以前のお気に入りだったアルビレックス新潟ブランドに回帰してラファエル・シルバを獲得。鹿島アントラーズも同じく新潟からレオ・シルバという有力選手を引き抜いた。
昨季王者はヴィッセル神戸からもブラジル人選手を手に入れている。ペドロ・ジュニオールは大宮、新潟、ガンバ大阪、FC東京、神戸に続いてJリーグで6つ目のクラブに在籍することになる。
だが、そのP・ジュニオールの代役としてヴィッセルにやって来ると噂される選手こそが最大の注目を集めている補強だ。元ドイツ代表のルーカス・ポドルスキが、永遠の“眠れる巨人”であった兵庫のクラブに加入すると盛んに報じられている。
楽天をバックに付けたクラブはこれまで、巨額の予算とトップレベルの設備の生み出すポテンシャルを発揮しきれていなかった。だがドイツ代表で129試合に出場し48ゴールを記録した2014年ワールドカップ王者を獲得すれば、神戸を2017年の本格的な優勝候補に押し上げる助けとなるかもしれない。