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Jリーグ 8年前

湘南のアイデンティティーを託された2人のホープ。幼稚園時からともにプレー、物語は新章へ

text by 藤江直人 photo by Getty Images

石原も2種登録選手として2016年9月にトップデビュー

湘南ベルマーレの曹貴裁監督
湘南ベルマーレの曹貴裁監督【写真:Getty Images】

 ファイターを自負する169センチ、63キロの石原は、3バックの左右を主戦場としきた。その視線はいつしか、3バックの右で「湘南スタイル」を体現し、キャプテンとして臨んだ昨夏のリオデジャネイロ五輪に先駆けて、ハリルジャパンでもデビューを果たしたDF遠藤航(現浦和レッズ)へと向けられた。

「対人の強さや戦うということに関しては、自分でも通用すると思っているんですけど。他の選手と比べて足元の技術がちょっと足りないので、せめて普通のレベルになれるように。そこを向上させていかなければ、上にはいけないと思っているので。いつかは(遠藤)航さんを追い越すような、怖い選手になっていきたい」

 トップチームへの昇格内定を勝ち取った直後の昨年9月22日。徳島ヴォルティスをホームに迎えた天皇杯3回戦で、2種登録選手としてトップチームに帯同していた石原は、3バックの左で公式戦初先発を果たす。

 緊張と興奮を何度も交錯させながら、何とか無失点での勝利に貢献できた。ダメ押しとなる3点目を決めて、公式戦初ゴールをマークしたのはボランチでフル出場していた齊藤だった。

 曹監督は決してチャンスを与えたわけではない。直前までの練習を指揮しながら、勝利するために必要な戦力だと判断したからこそ、齊藤と石原を先発として抜擢した。育成年代から弱肉強食のプロの世界へ。2人が紡いできたストーリーはヴォルティス戦から 新たな章に突入し、2017シーズンに至っている。

「今シーズンの目標はどんな形であれ、すべての試合に絡んでいくこと。ヒロとは紅白戦などで敵になることが多く、バチバチすることもあったけど、お互いにこうやって上のカテゴリーに上がって来られて、プロサッカー選手として一緒の舞台に立てるのはやはり嬉しい。ポジションは違いますけど、これからもお互いに切磋琢磨していきたい」

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