本田はセントラルMFで途中出場も…プレー時間短く爪痕残せず
前半は文字通り相手を圧倒。後半は守備の乱れを突かれて1点を返されるが、その後も選手たちは勤勉に走って要所を締めた。
象徴的だったのが後半29分のイグアインのプレーだ。ミランはカウンターからチャンスを得て、最後はクリスティアン・サパタがエリア内に上がってシュートを狙おうとする。これに対し、イグアインはエリア内に戻ってボールを奪ったのち、そのままサイドでボールをハーフウェーライン近くまで運んだ。そのサパタから倒されてファウルを取り、相手にはイエロー。守備の参加のみならず、その後も体を張ってボールを前に運び、相手の攻撃の流れを切る。地味だが、苦しい時間帯では味方の助けになる重要なプレーだ。
こうした実直さが11人に徹底されているのがユベントスの強み。そしてこの超攻撃的な布陣も、一人一人が勤勉に働くからこそチームとして機能を果たしたのだ。
一方、今シーズンはユーベから公式戦で2勝をもぎ取ったミランも、この日はスソやジャコモ・ボナベントゥーラを封じられて苦しんだ。注目の新加入ジェラール・デウロフェウは後半からカルロス・バッカに代わってCFとして初出場。爆発的なスピードを生かした裏抜けから、一度ビッグチャンスを作っていた。
本田も久々に公式戦出場を果たしたが、出場期間が3分だけでは爪痕も残せなかった。試合ではセントラルMFとして起用されていたが、ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督はこの理由について「クオリティのある中盤の選手を欲しかったし、一方で攻守のバランスも取りたかったら彼を選んだ」と説明していた。
(取材・文:神尾光臣【トリノ】)
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