ユベントスが見せた「超攻撃的布陣」
今シーズン3度目の対決となったコッパ・イタリア準々決勝のユベントスvsミラン。この試合の戦術的な見所の最たるものは、やはりユベントスの超攻撃的なフォーメーションにあった。
ゴンサロ・イグアインにマリオ・マンジュキッチ、そしてパウロ・ディバラのFW3人をいっぺんに起用した4-2-3-1。しかも右サイドハーフにはファン・クアドラードを、左サイドバックにはクワドォー・アサモアを配置した。2枚のセントラルMFもミラレム・ピャニッチにサミ・ケディラと攻撃寄りの人選だ。
マッシミリアーノ・アレグリ監督は、22日のリーグ戦、ラツィオ戦でこの布陣の導入を決めた。前節のフィオレンティーナ戦で負けたのを機に、意を決しての荒療治。すると好調のラツィオ相手に2-0と完勝を収め、中2日後のこの試合でもほぼ同様の布陣をぶつけて2-1と勝利した。
攻撃的な選手に枚数を割いた布陣は、ビデオゲームならともかく実戦では見られにくいもの。最近になって攻撃的なサッカーをするチームが増えてきたとはいえ、特に伝統的に堅守からのカウンターが是とされてきたイタリアでは、リスクマネジメントを考えない戦術はファンにも敬遠されてきた。
もっともこの2戦のユーベは、決して守備を捨てて攻撃に走っていたわけではなかった。むしろ、攻撃的なタレントたちが勤勉に守備のタスクをこなし、チーム戦術を実行していたところに強さの秘訣があった。