デウロフェウ加入で前線はどう変わるか
ところで、注目なのはデウロフェウの加入がミランの前線にどういう影響を与えるかである。スソのバックアップのための補強ということは、モンテッラ監督が否定した。「スソとは特性が違うし、別に彼の控えとして取ったわけではない」と語っている。
右利きで爆発的なスピードで縦のスペースへと切り込んでいくウインガーであり、左利きで右からの細かいボールタッチからチャンスを作るスソとは、確かにプレースタイルは違う。その意味で「スソの控えとして取ったわけではない」というモンテッラのセリフには矛盾がないのである。
エバートンでも出場機会に恵まれなかったことからも、しばらくは短い時間で徐々に使っていくという起用法になるだろう。
もっともデウロフェウの加入は、右よりも左に影響を与えそうである。このところスタメンから落とされていたエムバイエ・ニアンに退団の可能性が浮上している。モンテッラ監督は彼に移籍話が浮上しているということを認めた上で、25日の試合の招集メンバーからは外れると語った。
ジェノアへの帰還を拒否した彼は、プレミアリーグにいくことを希望しているのだという。つまりデウロフェウには、右の単なる控えではなく、ジャコモ・ボナベントゥーラが一列後ろで使わされた際のオプションとして、スタメン出場も十分に期待できる立場である。
ともかく、ミランの前線はどう変化するのか。試合の行方もさることながら、25日のユベントス戦にはそんなところにも注目したい。
(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)
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