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柴崎はラス・パルマスにとって“大型補強”? 過去の事例から見える期待度の高さ

text by 編集部 photo by Getty Images

柴崎岳
柴崎岳のラス・パルマス移籍は決まるのか…【写真:Getty Images】

 日本代表MF柴崎岳のスペイン挑戦が現実味を帯びてきている。冬の移籍市場も終盤に差し掛かり、最も具体的な交渉の話が聞こえてくるのはラス・パルマスだ。

 スペイン本土から1000km以上も離れたカナリア諸島に本拠地を置く小クラブは、数々の名選手を輩出してきたことで知られているものの、近年は2部が主戦場だった。そのため選手獲得に割ける予算は限られている。

 1部復帰を果たした昨季開幕前、移籍金を支払って獲得したのは3選手のみだった。選手データベースサイト『transfermarkt』によれば、ボカ・ジュニオルスからレンタルしていたセルヒオ・アラウホの完全移籍切り替えに250万ユーロ(約3億円)を費やしたのが最高額だ。

 アラウホに加え、ジョナタン・ビエラ獲得のためスタンダール・リエージュに90万ユーロ(約1億円)を支払い、グラナダからアルフレッド・オルトゥーノ(現在はカディスにレンタル中)を100万ユーロ(約1億2000万円)で引き抜いた。

 今季開幕前に移籍金を支払ったのは、アラウホと同じ形で昨季から在籍していたマウリシオ・レモスをロシアのルビン・カザンから完全移籍で獲得するための200万ユーロ(約2億4000万円)と、19歳のマテオ・ガルシアをアルゼンチン2部のインスティテュートから獲得するための40万ユーロ(約4800万円)のみだった。

 他の選手たちは移籍金のかからないフリーでの獲得か、レンタル移籍をうまく活用している。たとえば現在チームの主力を務めているケビン=プリンス・ボアテング(前ミラン)やハビ・バラス(前バジャドリー)、ペドロ・ビガス(前マジョルカ)、ナビル・エル・ザール(前レバンテ)、ミシェウ(前アルメリア)、エウデル・ロペス(前パソス・フェレイラ)、マルコ・リヴァヤ(前ルビン・カザン)は皆フリーで獲得してきた選手だ。

 またトップチーム在籍14年目を迎える主将ダビド・ガルシアのように下部組織で育った選手や、2部で戦っていた苦しい時代を知る在籍年数の長い選手も多い。そんな中、報道によれば2018年1月まで鹿島アントラーズとの契約を残す柴崎を獲得するとなれば移籍金を支払わねばならない。EU圏外枠(外国人枠)を使う必要がある選手ということも考えれば、24歳の日本代表MFにかける期待は相当なものということだろう。

 前出の『transfermarkt』によれば放出する選手は契約満了にともなう退団かレンタル移籍が多いため、ラス・パルマスの現在の移籍金収支はマイナスになっている。2年連続の残留と来季以降の1部定着を目指して柴崎以外にも冬の市場で新戦力を物色しており、“やりくり上手”のクラブとしてどのように収支のバランスをとるかにも注目だ。

【参考】ラス・パルマスのバルセロナ戦(1月14日)先発メンバー11人の移籍金と加入年

GK ハビ・バラス(0ユーロ、2015年)
DF ミシェウ(0ユーロ、2016年)
DF ダビド・ガルシア(0ユーロ※、2003年)
DF マウリシオ・レモス(200万ユーロ、2016年)
DF エウデル・ロペス(0ユーロ、2016年)
MF ビセンテ・ゴメス(0ユーロ※、2010年)
MF ロケ・メサ(0ユーロ※、2010年)
MF ナビル・エル・ザール(0ユーロ、2015年)
MF ジョナタン・ビエラ(90万ユーロ※、2015年再加入)
MF タナ(不明※、2012年)
FW ケビン=プリンス・ボアテング(0ユーロ、2016年)

注1 ※は下部組織(Bチーム含む)出身の選手
注2 最新のデポルティボ・ラ・コルーニャ戦(20日)は欠場者が多かったため、よりベストメンバーに近いバルセロナ戦を参考に選んだ

【了】

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