適任はブリント。モウリーニョはより重要なタスクを科すべき
さて、デイリー・ブリントというプランは考えられないだろうか。彼はオランダ代表でもアンカーをこなしている。左足から繰り出されるパスは正確で、状況判断も悪くない。ポジションを留守にする恐れはなく、自陣でバカげたファウルを犯す確率も低い。キャリック不在のカードとして、極めて重要と思われるのだが…。
いま、モウリーニョ監督はブリントを左サイドバック、もしくはセンターバックとしてとらえている。アンカーでは起用していない。エリック・バイリーがコートジボワール代表としてアフリカ選手権に出場しているため、ユナイテッドのDFラインは右サイドのアントニオ・バレンシアを除くと不安だらけだ。安定感と堅実性を兼ね備えるブリントを、最終ラインに加えるモウリーニョ監督の発想は至極当然だ。
ただ、ゲームメイクもできるブリントをアンカーに起用すれば、キャリックの負担は軽減する。ベテランMF不在の際に直面するリズム感欠如も、オランダ代表の実力派であれば解消できるだろう。最終ラインの便利屋ではもったいなさすぎる。ブリントには、より重大なタスクを科すべきだ。
「I’m sure you can do it」
ブリントができるってことは、モウリーニョ監督も分かっているはずだ。
(文:粕谷秀樹)
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