自信回復のために勝ち点3を積み重ねたいドルト
スタメンフル出場の香川真司【写真:Getty Images】
どうしても重心は後ろ寄りになり、チームとしてなかなかシュートまで持っていくことができなかった。39分には相手のGKドロブニーが飛び出して、ロイスを転倒させて一発退場。これでしかし、流れはドルトムントに傾かなかった。59分、ソクラティスが追い縋ったが、バルテルスにドリブルで持ち込まれ、そのままシュートを許す。同点に追い付かれてしまう。
香川は下がり気味の位置で、バイグルと一緒にボールを回して、後方を安定させようとした。そうした上で、タイミングを見てゴール前に入っていく。59分には、ロイスにスルーパスを通すなど、好機を演出した。
しかし、ゴールとアシストを記録することはできず、右足首の負傷の影響もあってか、好調とは言い難かった。「あと2、3試合含めてチームも個人も勝ち続けたら、また勢いであったり、自信というものが見えて来ると思う」
ドルトムントは71分にピシュチェクが勝ち越しに成功する。しかしブレーメン戦で、ビッグクラブの描く堂々たるサッカーを示すことはできなかった。もちろん香川にも「もっと相手をポゼッションで圧倒したい」という意欲はあるが、まずはひとつひとつ勝利を重ね、失いかけているチームの自信を取り戻していくことが先決か。
「みんなも、内容には満足してないけど、勝ち点3を取れたことが一番大事だという話はしていた」
勝ち点3を積み上げていくことでしか、“自信”は見えてこないのだ。
(取材・文:本田千尋【ブレーメン】)
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