追加点を奪う貪欲さに欠けたドルト
ドルトムントのトーマス・トゥヘル監督【写真:Getty Images】
まだ“自信”は見えて来ない。2017年1月21日のブンデスリーガ第17節、ボルシア・ドルトムントはアウェイでヴェルダー・ブレーメンと戦った。
およそ1ヶ月のウインターブレイクが開けた後期の開幕戦。開始早々の5分、ロイスのパスにシュールレが縦に抜け出して、先制のチャンスを確実にモノにする。前半戦の終盤には7試合連続で先制点を献上し続けたドルトムント。待望の先制弾は、しかし、かえって選手たちを消極的にしてしまったようだ。
左のインサイドハーフで先発した香川真司は、次のように振り返る。「ああいう形で得点できて、どこか失点したくないという気持ちは少なからずみんなあった」
誰もが勝利に飢えていた。ドルトムントは先制点をプレゼントし続けたばかりか、前半戦のラスト4試合は全てドローに終えている。だが、勝利を確実なモノとするために、追加点を奪おうとする貪欲さは、前半のドルトムントに欠けていた。
「特に前半に関して、ボールを蹴るのか、後ろから繋ぐのか、そこが前と後ろですごく差があった」勝ちたいというより、負けたくない。敗北の恐怖がイメージの共有を奪う。DFラインに吸収されたまま、前に出ようとしない右ウイングのプリシッチ。
「はっきり前にボールを蹴って、ラインを高く保ってコンパクトに攻守をやる必要があった部分と、後ろから繋いでいくっていう部分で曖昧だった分、相手のプレッシャーを受けて不用意な取られ方がたくさんあった」