ナポリの緻密な守備に封じられたミランの攻撃
さらにナポリは、縦横無尽にポジションを変えるメルテンスを軸にミランを大混乱に陥れた。9分、右サイドに開きエリア内でボールを受けたベルギー代表は、中へと絞って走り込んだホセ・カジェホンにスルーパスを出した。カジェホンは角度の厳しいところからドンナルンマの股下を通し、2点目を決めた。
前節同様に短い時間で点差を広げられたミランは、その後もナポリの攻撃に苦しむ。中盤でプレスをかけようにも、ワンタッチで回るショートパスの前に空転させられる。またボールホルダーに体を寄せても、インシーニエやマレク・ハムシクらには個人技でかわされていた。
そしてナポリには、何より守備で違いを見せつけられた。前節のトリノ戦と違って同点に持っていけなかったのは、緻密な組織守備に攻撃を制限されていたからだ。
後方から組み立てようとすれば、厳しい前線からのプレスでパスコースが制限される。中盤でボールを収めようとしても、瞬時にボールホルダーが囲まれる。特に攻撃のキーマンとみられる選手への守備は徹底していた。前後左右のスペースを消され、前を向かせてもらえないスソの姿を久々に見た。
ボールを奪われた後の帰陣も非常に素早く、ミランが攻撃へ転じるよりも早く最終ラインは整えられていた。サイド攻撃に活路を見出そうとするミランがクロスを放り込んでも、ラウール・アルビオルとロレンツォ・トネッリは常にエリア内に的確なポジションを取り、ボールを弾き続けた。