オウンゴールによって拍手で見送られることに
セルヒオ・ラモスがマドリーのキャプテンであるという事実もそこに加えれば、話はさらに複雑化する。彼がプレーしているのはサンチェス・ピスファンで嫌われているチームであり、さらにサッカーにおいてもファンの感情面においても、(昔も最近も)たびたびセビージャを打ち負かしてきたチームだ。
セルヒオ・ラモスは愚かだった。というのも、彼は大きな存在ではあるが、セビージャの歴史の中ではそうではないからだ。様々な利害や感情が絡み合えば、その組み合わせがうまく働くことは滅多にない。
最終的にはサンチェス・ピスファンから拍手で見送られることになったが……それはオウンゴールを決めたことによるものだ。コパ2ndレグでの行為が赦されたわけではない。
「自分の家でのゴールを祝おうと思ったわけではないが、母親のこと(編注:直訳で「売春婦の息子」を意味するhijo de putaのこと。スペインでは最大級の侮辱に相当する)を言われてしまうと……」とラモスは弁解していた。
だが、”彼の”セビージャは理由など気に留めてもいない。サンパオリからモンチに至るまで誰もが、反応が正常化してほしいという希望をここ数日口にしていたが、”放蕩息子”が父親の家に快く迎えられるかどうかは時間が経ってみなければ分からない。
今のところ、亀裂はあまりにも明白だ。なお今季のリーガでは、最終節の1つ前の試合で、ベルナベウでのレアル・マドリー対セビージャ戦が組まれている……。
(取材・文:ロシオ・ゲバラ【セビージャ/マルカ】)
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