あまりに豊富な実績と経験。“日常”に入ってくる高次元
始動5日目となった18日、磐田はヤマハスタジアムで11対11のフルコートゲームを行っている。メンバーはシャッフル。守備でハマらない場面があり、攻撃でもシュートまで持ち込む回数が少なかった。まだキャンプも始まっておらず、コンセプトもこれから詰めていくのだから仕方ないだろう。
それでも、時折光るプレーを見せる者もいた。「大きいサイズの中で、今どれくらいの判断力があるかということと、各々の個性を出してほしいと。15分×2本しかないけど、出せる限り出そう」と名波監督は選手たちに求めた。そして、既存選手が新加入組の特徴を知ることができたのも収穫だ。
逆もまた然りだ。短い時間ではあったが、中村俊輔にはいくつか気づいた点もあったようだ。練習後には名波監督やチームキャプテンの上田康太、他の選手とコミュニケーションをとる姿が見られた。
松井らを除けば、磐田のほとんどの選手にとって中村俊輔は「TVで見ていた人」だ。それが、今は直接アドバイスをもらうことができる。「何か不思議な感じだけど、気さくに話してくれる」と誰もが言うが、中村俊輔とのやり取りには全神経を集中させるべきだろう。
海外で偉大な活躍を見せ、日本代表を長く牽引した人物から出てくる言葉や振る舞いは、ひょっとしたら次元の違うものに思えるかもしれない。しかし、それが“日常”となれば成長の助けとなる。特に若い選手に与える影響は絶大だ。