スポーツ界におけるブランドロゴの成功事例
ファッションアイテムとしての地位を確立しているNYヤンキースのキャップ【写真:Getty Images】
スポーツ界にはユベントスが狙っているであろうブランドロゴとしての地位を不動のものとしているチームロゴがある。メジャーリーグベースボール(MLB)のニューヨークヤンキースだ。同チームの「N」と「Y」を組み合わせたロゴは「ニューエラ」によるキャップとしてスポーツチームグッズの枠を超えたファッションアイテムとしての地位を確立している。シンプルで主張の強すぎないデザインはキャップだけでなく、どんなファッションアイテムやグッズにも合わせることが可能だ。
ユベントスの新ロゴはスポーツクラブのエンブレムというよりは、アパレルブランドのロゴ、もしくは「Facebook」「Twitter」といったITサービスのロゴに近い。同クラブがエンブレムという単語を用いずにロゴという単語を用いて発表したことも、そのあたりの意図を意識してのものだろう。
今回、ユベントスが打ち出したクラブエンブレムに対するコンセプトは、これまでのサッカー界の常識を覆すものだったといえる。サッカークラブのエンブレムが担う役割が単純にクラブのアイデンティティを表すものではなく、マーケティング面に大きな貢献が期待される時代が到来したようだ。
(文:Keiske Horie)
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