カバーニ、D・コスタ、ファルカオ、ベンゼマ、R・ヒメネス(左から)の市場価値総額は200億円超【写真:Getty Images】
「我々には新シーズンに向けて巨大な投資プランがあった」
こう明かしたのは中国1部の天津権健でオーナーを務めるシュウ・ユフイ氏だ。クラブ公式チャンネルでの談話を英紙『メトロ』などが伝えている。
ファビオ・カンナバーロ監督に率いられ、今季から1部に昇格する天津権健は、オーナーの圧倒的な資金力を元手に大型補強を計画していたという。しかし、その目論見は中国サッカー協会による同国リーグの外国人枠削減によって夢のまま終わってしまった。
シュウ氏は欧州で活躍する実力派ストライカーたちにオファーを提示していた。中には非公式ながら天津権健移籍で合意に至っていた選手もいたという。
「実際にクラブはファルカオとラウール・ヒメネスに対して契約を準備していた。我々はすでに給与とボーナスについて合意に至っていた。2人とは契約を結ぶはずだったんだ。しかし、新たなルールが我々を縛り付け、彼らを諦めなければならなかった」
アトレティコ・マドリーやマンチェスター・ユナイテッドなどで活躍したファルカオ、そしてベンフィカに所属するメキシコ代表FWラウール・ヒメネスは中国移籍が決まりかけていたようだ。シュウ氏は他にもビッグネームの名前を挙げている。
「我々は傑出したストライカーを必要としており、カリム・ベンゼマにオファーした」と話し、カンナバーロ監督の古巣であるレアル・マドリーのエースにも手を出していたことを明かしている。
金満オーナーの暴露はまだ終わらない。ベンゼマだけでなく、チェルシーのFWジエゴ・コスタやパリ・サンジェルマンのFWエディンソン・カバーニにも接触したと語った。両選手ともクラブ側が1月の放出に難色を示し、中国のシーズン前半戦が終わる6月まで獲得を待たなければならなかったために手を引いた。
ジエゴ・コスタに関しては敏腕代理人として知られるジョルジュ・メンデスをわざわざ中国に呼んで引き抜きに向けた動きを進めており、天津権健移籍に興味を示していたというが実現には至らなかった。
選手データベースサイト『transfermarkt』を参照すると、ここまでに挙がった選手たちの市場価値をすべて合計した額は1億7600万ユーロ(約213億円)にもなる。すべての取引が外国人枠の削減によって失敗に終わったようだが、“爆買い”でサッカー界を席巻している中国リーグの勢いを象徴する事例と言えそうだ。
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