河北華夏幸福のガエル・カクタ【写真:Getty Images】
中国サッカー協会が同国1部リーグの外国人枠削減を発表したが、早くもその影響が出始めているようだ。
河北華夏幸福に所属する元フランスU-21代表FWガエル・カクタがヨーロッパ移籍に向かっている。スウォンジーとデポルティーボ・ラ・コルーニャが獲得に乗り出しているとそれぞれの地元メディアが報じている。
英『ウェールズ・オンライン』は、スウォンジーのポール・クレメント新監督がカクタを期限付き移籍で獲得することを望んでいると伝えた。冬の移籍市場で既にオランダ代表FWルシアーノ・ナルシンフを射止めた同クラブは、プレミアリーグ残留に向けて突破力に優れたウィンガーを欲している。
一方、スペイン紙『アス』などはカクタがデポルティーボ・ラ・コルーニャ加入間近と伝えている。メディカルチェックを終えしだい、現地16日のうちに正式発表の見込みだという。今季開幕からの半年間チームをけん引したライアン・バベルが契約満了で退団し、新たな攻撃の核を補強の最優先事項としている。
13日にはトウェンテやベンフィカで活躍した元オランダ代表のオラ・ジョンの獲得を発表しており、リーガでプレー経験のあるカクタを引き入れることでウィングの層を厚くしようとしている。
母国フランスのレンスから若くしてチェルシーに引き抜かれたカクタは、イングランド国内だけでなくフィテッセやラツィオ、ラージョ・バジェカーノなどにも武者修行に出されたが才能を開花させることができず。昨季はセビージャに在籍していたものの、出番を得られず中国に新天地を求めていた。
しかし、今年から中国リーグの外国人枠がこれまでの5人(4人+アジア人1人)から3人に削減されることが決まり、河北華夏幸福では余剰戦力になりかねない状況だった。チームには中国国内での実績豊富なFWアロイジオをはじめ、欧州の第一線で活躍していた経験のあるジェルヴィーニョやステファン・ムビア、エルサン・ギュルムが所属している。
そんな状態でカクタにポジションが保証されているはずがなく、移籍の決断を促したのかもしれない。各国のメディアで情報が錯綜しているが、かつてフランスを背負うと期待された元有望株がヨーロッパの舞台へ戻ろうとしているのは間違いなさそうだ。
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