戦力はブンデス随一。アンチェロッティの“発明”がマンネリを打破するか
インテンシティを取り戻せるか。後半戦に向けてバイエルンに求められるのは、その1点になる。冬季中断期間中に目立った補強の動きはない。ボアテングが昨年12月に右胸筋の手術を受け、ウインターブレイク中の合宿ではチアゴが大腿を痛めて離脱となったが、両選手とも2月の頭頃には復帰する見込み。
前半戦ではミュラーが得点力不足のちょっとしたスランプに陥ったが、これらのことを差し引いても、バイエルンの総戦力がブンデスリーガで頭一つ抜けていることに変わりはない。
よって、監督がペップからアンチェロッティに変わったことによる“緩み“を引き締めて、後期開幕戦のフライブルク戦を完勝することが重要な一歩となる。もっとも、襟を正すことの重要性は、前半戦の内から主将ラームや正GKノイアーが危機感を持って説いてきた。
常勝のメンタリティは、バイエルンの選手たちが知っている。負けは許されないし、許せない。百戦錬磨のアンチェロッティに対する信も揺らいではいない。ウインターブレイク中にインテンシティを取り戻すことは、十分に可能なはずだ。
アンチェロッティに戦術的な引き出しがやや少ないことが、唯一の不安要素か。前半戦の天王山RBライプツィヒ戦では、アロンソを活かしたサイドチェンジで敵のプレッシングを交わし、個の力で圧倒した。
しかしCLも決勝トーナメントに入れば、そうしたシンプルな戦術だけでは打開できない状況に直面する可能性もある。レアル時代、インサイドハーフにディ・マリアを置いたような緻密な戦術も必要になってきそうだ。そのような“発明”が何よりマンネリズムを打破し、インテンシティの回復に繋がるのではないか。
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