倹約家ヴェンゲルも積極投資。ジャカ、ムスタフィらを獲得
プレミア随一の倹約家として知られるアーセン・ヴェンゲルが、珍しく移籍市場に多額の資金を投入した。これだけでも今季にかける本気度が伝わってくる。
グラニト・ジャカ獲得のためにボルシアMGに支払った移籍金は3800万ポンド(約54億円)で、シュコドラン・ムスタフィに3500万ポンド(約49億円)、ルーカス・ペレスに1700万ポンド(約24億円)を投じた。
しかし、彼らはいずれも必要に迫られた補強であった。ジャカはミケル・アルテタが抜けたセントラルMFの次なる柱として、L・ペレスは新たな1トップ候補、ムスタフィは心許ない守備陣の強化といったように、チーム力底上げのために明確な役割があっての獲得だった。
その一方で、もはやヴェンゲルのライフワークとなっている若い才能の発掘にも余念がなかった。ボルトンから獲得したDFロブ・ホールディングは将来のレギュラー候補と期待され、日本からは浅野拓磨を見出してドイツの地へ武者修行に送り出した。
ヴェンゲル監督は今季が契約最終年で、アーセナルでのキャリアを続けられるかの岐路に立たされている。ロンドンで21年目の夏を迎えるためには、2004年以来のプレミアリーグ制覇という結果を出すことが重要になる。
近年は常に上位争いに絡みながら優勝とは無縁だったが、今季はチャンピオンズリーグ出場権を獲れればいいなどとは言っていられない。将来への投資も惜しまなかったことから、ヴェンゲル監督は来季以降もエミレーツ・スタジアムのベンチ前に立つことを夢想しているはず。だからこそ、これまで以上に本気でリーグタイトル獲得を狙っている。