右利きの左サイドバックだが、右サイドも対応可能
そして2017シーズン、伝統の系譜に小田も名前を連ねる。173センチと決して大柄ではないが、空中戦には「絶対の自信をもつ」と胸を張る。椎本スカウト担当部長がほれ込んだ身体能力の高さには空中戦だけでなく、タッチライン際を何度も、それもトップスピードで上下動できるスタミナも含まれている。
今回の選手権でも、初戦となった2回戦の東邦(愛知)の後半16分に小田はまばゆい輝きを放っている。ゴールラインを割りそうな縦パスにトップスピードで追いつき、ジャンプ一番、体を思い切り捻りながらダイレクトで左足を一閃。絶妙のクロスをニアサイドへ送り、FW藤井一輝(3年)の先制弾をアシストした。
東福岡の大先輩でもある日本代表DF長友佑都(インテル)に憧れ、長友が実践している体幹トレーニングやヨガにもトライ。長友と同じく右を利き足としながら左サイドバックでのプレーを得意としているが、志波総監督は「もちろん右でもできますよ」と目を細める。
「ヘディングや身体能力が注目されますけど、小田の一番の武器は気持ちの強さ。アントラーズということで大変とは思うけども、気持ちの強さでけっこう頑張れるんじゃないかな。伝統あるチームの歴史に新しいものを刻んでほしいし、3年後には東京オリンピックもあるので、私としても応援していきたいですね」
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