上位相手には勝利も…下位への取りこぼしが目立つ
効果的な補強戦略をした今季のリバプールは、開幕前に周囲が予想していた以上の好成績で前半戦を終えている。
昨季は、シーズン途中から不調のチームを引き継いだため、クロップ監督が思い描くサッカーができず、シーズン終了時点でも発展途上の印象が強かった。今季もまだ完璧からほど遠いし、粗さが目立つ。しかしそれは逆に伸びしろの大きさとも取れ、日進月歩で進化しているのは確かだ。
その証拠に、昨季は優勝したレスターに勝ち点21点差をつけられて8位で終戦したが、今季は20試合を終えた現時点ですでに勝ち点44を稼ぎ、首位を走るチェルシーとの差は「5」。現在2位につけている。
特に上位チームとの戦いぶりが素晴らしく、開幕戦となった敵地でのアーセナル戦を4-3でモノにすると、5節ではスタンフォード・ブリッジでチェルシーにも土をつけた。その後もトッテナムと宿敵マンチェスター・ユナイテッドには引き分け、さらに19節にはホームでマンチェスター・シティを退けている。
そんなリバプールの最大の強みが、ここまでリーグ最多の48点を挙げている攻撃力。特にフロントスリーのマネ、ロベルト・フィルミーノ、そしてフェリペ・コウチーニョの3人は、流動的にポジションを変えながら、抜群のスキルと得点力で敵のゴールを脅かし続けた。チームのゴールのほとんどにこの3人が関わっているのは、何ら不思議ではない。
さらにリバプールにやってきて3年目にしてようやく真価を発揮し始めたアダム・ララーナが7得点7アシスト、大怪我から復帰したばかりのディボック・オリジも4得点を決めるなど、チーム全体でまんべんなくゴールを生み出し、ここまでリーグ戦では総12選手が得点を決めている。コレクティブなスタイルだからこそで、チームの成功の大きな理由の一つでもある。
またCBにマティップを加え、左SBにジェームズ・ミルナーをコンバートしたバックラインには安定感が加わった。今季から中盤の底を定位置としているキャプテンのジョーダン・ヘンダーソンとともに、過去数シーズンの泣きどころだったリバプールの守備を支えている。