的確な補強と人員整理で収支もプラスに
リバプールが昨夏に行ったのはピンポイントの補強と、長らく進まなかった余剰人員の整理だった。選手を売却して得た総額は約7000万ポンド(約98億円)に上った一方、獲得に費やしたのは約6700万ポンド(93億8000万円)。加えてマリオ・バロテッリやコロ・トゥーレといった高給取りを無償で放出するなど、収支バランスは改善された。
支出面では、サディオ・マネ獲得で要した3500万ポンド(約49億円)が最高額。バロテッリやクリスティアン・ベンテケ、さらにジョードン・アイブも放出して手薄になった攻撃陣に、プレミアでの実績がありユルゲン・クロップ監督の哲学に合うスピーディーなアタッカーを加えた。
また、センターラインの補強の必要性を感じていた指揮官は、過去数シーズンにわたりミスが目立ったGKシモン・ミニョレの競争相手としてマインツの有望株ロリス・カリウスを指名。CBも刷新して、マルティン・シュクルテルとトゥーレを放出する一方で、ブンデスリーガ時代から馴染みのあるジョエル・マティップとラグナー・クラバンで強化した。
走力と得点力を併せ持つジョージニオ・ワイナルダムは、クロップスタイルのショートカウンターのサッカーに不可欠な攻撃的MFで、これまでのチームにはなかったタイプの選手だった。
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