トリノを警戒するモンテッラ監督。本田は一層厳しい状況に
実際、今季のトリノは強い。近年はイタリア人の若手中心の補強を地道に行ってきたところに、アデム・リャイッチとイアゴ・ファルケというビッグクラブで活躍してきた選手を補強。そして若きCFアンドレア・ベロッティは急成長し、あっという間にイタリア代表でも攻撃の柱となった。
この圧倒的な攻撃力を手にし、基本的には守備を重視するシニシャ・ミハイロビッチ監督も「これならラインを上げて敵陣に攻めていくリスキーなサッカーも十分可能かも」と手応えを得た。
そして、自身が率いていた昨季のミランよりも攻撃的なサッカーを展開する。もっとも格上との打ち合いに臨んで負けることも少なくないのだが、とにかく彼らは自分たちの力に自信を持っている。
「コッパ・イタリアは我われにとってヨーロッパに進出するための重要な手段だ」とミハイロビッチ監督も勝ち進む野心を見せている。そういう相手に対し、メンバーを無駄に入れ替えて連携を壊したくないというモンテッラ監督の考えは十分に理解できるものである。
リーグ戦で満足に出場機会を得られていない本田にとっては、一層厳しい状況になっているのだが…。
(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)
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