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マルセイユで奮闘の酒井宏樹、ついにフル出場の川島永嗣。2人の日本代表が見出した光明

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

「お互いに託せるプレーがわかってきた」(酒井宏樹)

マルセイユの監督に就任したリュディ・ガルシア
マルセイユの監督に就任したリュディ・ガルシア【写真:Getty Images】

 それでも、シーズン明けの最初の数試合は、正直なところ、彼のところへボールがいくたびに、反射的に「大丈夫か!?」という気持ちが湧いた。

 4年間在籍したドイツ・ブンデスリーガで日本とは違う欧州スタイルの守りは習得していたはずだが、フランスの攻撃手はスピードやアジリティが高く、しかも真正面からガツガツ攻めてくるから、間の取り方や距離間、仲間のディフェンス陣との連携などをたとえ一瞬でも考えながら反応していることで一歩一歩後手にまわっている印象だった。

 本人いわく「対戦相手は研究して試合に臨むタイプ」の酒井にとって、最初の頃はマッチアップするのは未知の選手ばかり。「苦戦するのでは?」と予想されたPSG戦のような強豪対決などは、かえって相手がディ・マリアやベン・アルファなど、映像などで見慣れていてプレーが予測しやすい選手なためやりやすかったそうだ。

 しかしその10節も敵陣で現チャンピオンを零封すると、酒井だけでなくチーム全体に徐々に自信が芽生えてきた。

 そしてこの試合から、10-11シーズンにリールをフランス王者に導いたリュディ・ガルシアが監督に就任。新指揮官のもとモンペリエには1-3、モナコには0-4と手痛い敗戦もくらったが、12月のリーグ戦は4戦に全勝し、前半戦終了時点で6位と、欧州カップ出場が狙える位置まで順位をあげてきた。

 と同時に酒井のパフォーマンスも、目に見えて安定感を増している。最近では彼の元へボールが渡ると、反射的に「ああよかった」とホッとする。GKプレがボールを酒井に預ける回数も格段に増えた。

 本人としては手応えがあるのかと尋ねると、「自分も周りの選手の特徴がわかってきたし、周りの選手も自分の特徴をわかってきたので、お互いに託せるプレーがわかってきた」という答えが返ってきた。

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