兆しを見せる日本のGKの未来。廣末は古巣・FC東京へ
青森山田の優勝に、廣末が果たした役割も同様に欠かせないものだった。成人の日の決勝でも守備を引き締めて無失点を守るとともに、後方からのロングキックでチームの3点目と4点目の起点にもなっていた。
高校選手権優勝のメダルをコレクションに加えた廣末だが、昨年は初のアジア制覇を成し遂げたU-19日本代表にも参加していた。バーレーンで開催されたAFC U-19選手権では1試合の出場に終わったとはいえ、ベトナムとの準決勝で3-0の勝利に貢献し、若いサムライたちは無失点を継続。決勝では早稲田大の小島亨介がゴールマウスに戻り、連続無失点を840分間という驚異的な記録にまで伸ばした。
このことは、日本のGKの未来が概ね明るいという兆しだと捉えることができそうだ。現時点では浦和レッズの西川周作がサムライブルーのNo.1の座を確保したと言えそうだが、柏レイソルの中村航輔も対抗馬として着実に頭角を現しつつある。まだ21歳と若いが、A代表へ乗り込んでくる日は近いと予想されている。
小島や廣末がそこへ登り詰めるのはもう少し先のことかもしれないが、後者は新シーズンよりFC東京の一員としてプロに足を踏み入れることが決まっている。U-15年代でプレーし、その後昇格を果たせなかった古巣への復帰だ。
高い能力を備えていることは明白であり、そこにさらなる上積みを加えていくことができれば、今後数年でその名をさらに知らしめることができないと考える理由はないだろう。
(取材・文:ショーン・キャロル)
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