懸念点はキーマンの離脱。CF補強ならさらに死角なし
結果的に連勝は後半戦開始と同時に途絶えた。だが、その20節トッテナム戦は、デレ・アリに見事なヘディングを打たれた2失点を除けば実力拮抗。チームとしての自信がへこむような内容ではなかった。事実、4日後のFAカップ戦では、テリー退場で10人となりながらも格下の3部勢から4点を奪って順当勝ちを収めてみせた。
失速の原因として心配されるのはキーマンの戦線離脱。しかし、メディカル部門の評判が高いチェルシーは、1軍レギュラー故障者0名で年を越した。膝の怪我で長期欠場していたクル・ズマも、3バックの一角を競える状態で後半戦を迎えている。本職がいないウィングバック要員としては、前線右サイドで好調なペドロ・ロドリゲスが既に実戦でも試されている他、指揮官は年明けにレンタル先のボーンマスから呼び戻したDF兼MFのナタン・アケの適性も確認する意向だ。
今季は欧州の大会に参戦できない上、既にリーグカップでも敗退しているチェルシーは、幸い起用オプション増加を含めて新システムを磨くための練習時間を十分に取れる状況にもある。
コンテは、1月に入ってオスカルとジョン・オビ・ミケルがベンチから中国へと脱出したMF陣の補填をフロントに打診済みだが、優先すべきは層の薄いFW陣の補強。スウォンジーの今季新戦力フェルナンド・ジョレンテとのトレードも噂されるが、プレミア初先発を経験することなく前半戦を終えたバチュアイよりも実績のある第2CFを手に入れれば、後半戦での首位キープに向けて「死角なし」との評判が立っても不思議ではない。
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