鹿島の奮闘がJクラブ勢に与えた好影響
これまでにも、たとえば平日にACLが開催されるときには、当該チームに限って週末のJ1の開催を土曜日からその前後にずらすなど、スケジュール面で配慮を重ねてきた。
リーグとしてスカウティング担当をACLへ派遣し、次の対戦相手に関する映像データなどを収集・提供してきた。資金的な援助も行ってきたが、2008シーズンのガンバを最後に優勝から遠ざかっている。
今シーズンもACLとYBCルヴァンカップのグループリーグの日程を重複させて、日本を代表してACLを戦う4クラブが週末のJ1に臨むうえで、コンディション面で不利益を被らないような施策も講じた。
ある意味でリーグとして打てる支援策は出し尽くされた感もあるが、2017シーズンにおいては「いままでとはレイアウトが少し変わってきている」と村井チェアマンは続ける。
「特効薬があるわけではありませんが、ひとつ幸いなのは、FIFAクラブワールドカップの決勝でレアル・マドリーに負けた鹿島が心の底から悔しい思いを抱いていること。次回こそはACLで優勝して、自力でクラブワールドカップへの出場権を獲得したいと選手全員が強く思ってくれている。
年間勝ち点で鹿島よりも上位にいた浦和と川崎の選手たちも、おそらくは『自分たちがあの場にいるべきだった』という思いを重ねながら、クラブワールドカップを見ていたはずです。今回のクラブワールドカップにおける鹿島の頑張りで、リーグ全体がかなり強くモチベートされていると認識しています」
クラブワールドカップは2017シーズンから2年間、UAEで開催される。世界と真っ向勝負に挑める舞台に立つには、ACLの頂点に立ったうえでAFC代表として出場権を勝ち取る以外に道はない。
実際、先のクラブワールドカップを戦い終えた直後から、アントラーズの選手たちは異口同音に「来年のACLを制して、もう一度クラブワールドカップで戦いたい」という目標を掲げていた。