脅威となる中国勢の「爆買い」
果たして、巻き返さなければいけない2017シーズンのグループリーグの組み合わせを見ると、Jクラブはいずれも韓国、中国、そしてオーストラリア勢といきなりエンジン全開で戦わなければいけない。
二冠王者のアントラーズはグループFに入った。初戦は2月21日で、ホームにプレーオフステージ1の勝者を迎える。おそらくは韓国の済州ユナイテッドが勝ち上がってくると見ていいだろう。
グループFの最大のライバルは、プレーオフステージ4を勝ち上がってくるであろう中国の上海緑地申花。32歳の元アルゼンチン代表FWカルロス・テベスを、世界最高年俸となる2年総額94億円で「爆買い」するなど、新シーズンへ向けた補強へ躍起になっている。
2007シーズン以来となるACL制覇を目指すグループFのレッズは、昨シーズンの決勝トーナメント1回戦でPK戦の末に苦杯をなめた、因縁のFCソウルと再び同グループとなった。
アントラーズとの富士ゼロックススーパーカップを戦い終えた2月18日の夜に、そのままオーストラリアへ移動。中2日でウェスタン・シドニー・ワンダラーズとの初戦に臨む強行スケジュールも待つ。
加えて、ブラジル代表MFオスカルをチェルシーから「爆買い」して意気揚がる中国の上海上港も、プレーオフステージ3を突破。「日・韓・豪」の争いに加わってくるはずだ。
グループGのフロンターレの前には広州恒大、韓国の水原三星の強豪が立ちはだかる。体制が変わり、エースストライカーの大久保嘉人も抜けたなかで、2月22日の初戦でホームにいきなり水原三星を迎える。
ガンバはプレーオフステージ2を勝ち抜けば、グループHで王者・全北現代、中国の江蘇蘇寧と同組となり、2月22日の初戦はアデレード・ユナイテッド(オーストラリア)の敵地に乗り込む。
過去2シーズンを振り返れば、日本からはともに4クラブが出場したものの、半分はグループステージで姿を消している。シーズン序盤とあってエンジンがかからない点に、村井チェアマンも奮起を促す。
「日本勢はどうしても相手に合わせて適応していくというか、チームを熟成させるのに時間がかかる。最終的にはいい状態となるんだけれども、出鼻をくじかれるような状況が続いてきたので、リーグとしては初戦からフルスロットルを入れられるかどうかという点に関与していきたい。クラブの高いテンションと私たちリーグが車の両輪をなして、スタートダッシュをかけられる雰囲気に資していきたいと考えています」