ポイントになりそうな「理念」への精通
ファンとサポーターの違いは何か? という問いかけは、欧州でサポーターズ・グループが誕生した1950年代から繰り返されてきて、今でも名答珍答がメディアやネットで数多く見つかる。いくつか答えを見ているうちに、「これこそが違いだ!」と共通している点があることに気づいた。
以下に5つの質問を出すので、Yes/Noで答えて、あなた自身が「ファン」か「サポーター」かを判断するめやすにしていただきたい。
(1) 応援しているチームの試合には、たとえ大雨大雪でも足を運ぶ。
(2) クラブの歴史や理念を知っている。
(3) 特に好きな選手はいるわけではなく、クラブを愛している。
(4) たとえ応援しているチームが負けていて、点差が開いてもチャントは歌い続ける。
(5) 経営や試合運営がクラブの理念から外れていると思ったときには、クラブに意見を送る。
Yesの回答が多いひとほど「サポーター」と呼ばれるに値する資格を持つ。Noの回答が多ければ、特に思い入れが強いクラブがあるのではなく、サッカーそのものが好きな「ファン」である、と言えるのだろう。
特に(2)のクラブの歴史や理念に通じていること、また(5)のクラブが理念から外れたことをやっていると思ったときに意見できることは、サポーターであるための条件となる、というのがHistorical Dictionary of Soccerや、ネットにおけるサポーター/ファンの違いを解説するサイトの意見である。どうもこの2項目はサポーターをファンから区別するポイントらしい。
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