サポーターのほうが「好き」の程度は上?
私が知人に「サッカー好き」を打ち明けると、「どの選手のファンなのですか?」と必ず聞かれる。
「いえ、特に好きな選手とかはいないんですけれど、ガンバ大阪をずっと応援しています」と言うと、「もしかしてガンバのサポーターですか? それはすごいですね。本当に好きなんですね」という反応が返ってくる。
何がすごいのだろうか? そもそもファンとサポーターの違いはどこにあるのか? 「好き」の程度でサポーターのほうが上なのだろうか?
ファンの語源はfanatic=狂信者、熱狂者である。サポーターは支持者、支援者の意味である。狂信的に追いかけているという意味なら、ファンのほうが好きの度合いは高いような語感であるが、ことサッカーに関してはサポーターのほうが本格的にのめりこんでいる感じがある。
研究社英和大辞典のsupporterの項には、わざわざfootball supporter=サッカーのファン[サポーター]と書かれている。Historical Dictionary of Soccerによれば、「サポーター」という言葉は「サポーターズ・クラブ」という欧州で生まれたサッカー特有のファンクラブの在り方からくる呼び方で、サッカー独自の一つの文化になっている、とある。
選手やクラブを応援する(ときには非難する)フラッグや弾幕を出し、試合中にチャントを歌い、チームカラーのグッズを身につけ、ホームはもちろんアウェイの試合にもチームとともに遠征する、それがサポーター、というのがHistorical Dictionary of Soccerの解釈だ。だが、それではファンとは大きく違わないのではないか?