診断
補強診断 C
移籍金約66億円のストーンズには賛否両論あるが、後方から組み立てる勇気に伴うロストボールのリスクは覚悟の上の獲得だったはずだ。スピードのあるノリートは、少なくともベンチを出た際のインパクトで昨季までのボニーに勝ると確認された。
開幕時の出遅れと16節での今季絶望を招いたギュンドアンの膝の怪我は不運として同情せざるを得ない。ブラボにはメディアで「補強失敗」との意見も多いが、ペナルティエリアの淵にポジションを取る“スイーパーキーパー”意識の持ち主として、指揮官が意図するラインを押し上げた戦い方に寄与している点は否定できない。
総合力診断 A-
「マイナス」の理由は、純粋な失点阻止能力がプレミア級とは思えないブラボに代表される守備力。中盤の底はフェルナンジーニョへの依存度が高い。
但し、新監督のシステム変更が「柔軟」と理解されていた当時は、ダビド・シルバとデ・ブライネが4-1-4-1の2列目中央で攻守に機能してもいた。トップ下としてのデ・ブライネはプレミア屈指。ラヒーム・スターリングが霞んで見える試合さえある。
最前戦では、アグエロがリーグ前半戦14試合出場で11得点という決定力。控えのケレチ・イヘアナチョも、先発は4試合のみだが効率良く4ゴール3アシスト。後半戦突入と同時に7ポイントに縮めた首位との差は追いつけない距離ではない。
(文:山中忍【ロンドン】)
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