本田はバックアップとして存在感を放てず。層の薄さが課題に
後半戦に向けての課題はただ一つ、今の調子をシーズン終了まで維持できるか否かの一点に尽きる。ただそこに向けて、決して不安がないわけではない。
選手層はまだ限られている。若手の成長に加えアンドレア・ベルトラッチが故障復帰後に好調をキープしている中盤と、誰が出ても実力に遜色はないサイドバック陣はそこそこ充実してはいるが、前線は心もとない。
特にウイングのポジションには層の不安が大きい。スソは攻撃の上でもはや換えの効かない存在となっているが、本田圭佑は現在のところそのバックアップとしても存在感を発揮できていない。左では開幕からスタメンを守ってきたエムバイエ・ニアンがここにきて不調気味。その場合は中盤を務めるジャコモ・ボナベントゥーラが一列前に上がってカバーをするが、普段の試合で複数のタスクをこなす彼の調子がシーズン後半に落ちてくるようだと、疲労のかさむ終盤戦ではチームがまるごと不調に陥る恐れもある。
現在クラブはウイングプレイヤーの獲得を画策しているが、資金捻出ができない状況下で獲得は難航している模様だ。基本は現在控えに甘んじている立場の選手から、一人でも多く戦力として使える選手を発掘できるかどうかにある。モンテッラ監督の仕事はまだまだ多いと言える。
もっとも、ここまでを振り返るとスタメンで一度でも使った選手を数えると、実は23人に登る。その中にはラパドゥーラやパザリッチのように、継続してチャンスを得るような選手も台頭してきた。主力とそれ以外には試合出場数に格差があるとはいえ、層を厚くするために種は前半戦で撒かれている。果たして、それがどれだけ花開くか。
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