診断
補強診断 D
スリマニは継続的に試合に出場できれば低迷するチームに貢献できる存在になれるはずだが、ここまでのところは真価を発揮していない。バーディーとの相性にも疑問符がつき、今後どのように両者を起用するのか難しいところだ。同じくFWのムサも、指揮官が使いどころを見いだせていないこともあり、実力を出し切れていない。
カンテの代わりとして期待されたメンディは開幕直後のアーセナル戦でケガをすると12月まで戦列復帰できず、最終的にリーグ戦で先発出場を果たしたのは今月2日のミドルズブラ戦。ツィーラーとエルナンデスはプレミアの水に慣れておらず、カプストゥカに関しては完全に実力不足の印象だ。
総合力診断 D
マフレズやバーディー、スリマニを攻撃陣に置き、守備では昨季リーグ3位タイの最少失点数を誇った。本来の力を発揮できれば、スカッドの実力としては「C」以上、リーグでも中位以上にいるのが妥当なレベルだ。しかしながら、昨季の優勝からか選手たちのモチベーションの低下が著しく、今後も歯車がかみ合わなければ降格の可能性も十分に残している。
同時に、チームを率いるラニエリ監督の迷走も選手たちに悪影響を与えており、ロッカールームは昨季のように団結していない。8ヶ月前までは何をしても当たっていたラニエリ采配だが、今季はチェルシー時代に“ティンカーマン”(できそこないの修繕屋の意)と呼ばれた悪い癖が見え隠れ。とはいえ、試合ごとのシステムや戦術的な変更が多い一方で、試合中の選手交代などは後手に回る場面も顕著だ。
後半戦の浮上のカギは、どの選手のプレーよりも指揮官の手腕によるところが大きくなる。
(取材・文:Kozo Matsuzawa / 松澤浩三【イングランド】)
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