サポーターから愛のある厳しい声。今季はゼロからの再出発
以前「愛されたい」と宣言したあるクラブのことが頭をよぎったからだ。横浜FMと同じく“オリジナル10”の1つだったクラブは今まさに再建の真っ最中。そして、どちらのクラブも同じように背後から見下ろす巨大な責任企業の影がちらつく。
2017年、横浜FMはゼロからの再出発となる。ピッチ上ではこれまで中村俊輔を中心に構築されていた戦術なども全てゼロから練り直さなければならない。これまでにない苦しく、険しい戦いが待ち受けているだろう。
昨年11月末、サポーター有志が練習場に横断幕を掲げたことが話題となった。
「選手にもファンにも愛されるクラブ作りは出来ていますか?」
「タイトル奪取の為に経験のある中堅ベテランの力も絶対必要」
「社長や監督は来ては去る。しかしファンとの絆は揺るがない。来年も共に戦おう」
果たしてこの声はクラブに届いたのだろうか。クラブ側の判断が正しかったのか、そうでないのかを証明する唯一の判断基準は2017年シーズンの結果だ。ファンやサポーターは愛情が尽きない限り共に戦ってくれる。
ただし、愛想を尽かされたらそれで両者の関係は終わってしまうということを肝に銘じておかなければならない。彼らは愛するがゆえに誰よりも厳しくクラブの行く末を見つめている。
(取材・文:舩木渉)
※当初配信時より一部内容を修正しております。
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