黒塗り文書。不可解な2つの理由
岐阜県庁に今西、服部の解任を迫った文書を情報公開請求で引き出した際、書かれている内容に特異であった点が二つある。FIBのヒアリングの結論としながら、CLAライセンスマネージャー大河正明の名前で発信されていること。そして肝心の審査したFIBのメンバーの名前が黒塗りで出てきたことである。
「黒塗りにした理由はその部分を明らかにするとJリーグにとって不利益だと判断されたからです」と担当の県庁職員は説明をしてくれた。ジャッジを下した裁判官の名前を覆い隠すようなものである。調査したら、FIBのメンバーは以下、石川順道、西村勝秀、水野晃(議長)、依田成史の四氏であった。
このままではライセンスを交付できないというヒアリングの結論を下した彼らの名前を出さないということがまず不可思議だが、これが彼ら四名の名誉を守るために名前を消したということならば、逆に理解できる。つまりFIBのメンバーはこの文書の存在を知らされていなかったのではないか?という疑念が持ち上がる。
それであれば気の毒なのはこの石川、西村、水野、依田の四氏である。独立審査機関と銘打たれながら、実際にはCLA主導の裁定に権威の名義貸しをさせられていることになる。あるいはもしも四氏が文書を知っていたのならば、なぜ経営者でもない服部の解任にまで賛同してしまったのか。サッカー界に貢献した二人の人物の人生を狂わせたしまったことをどう思うのか、改めて問うてみたい。
ここで「会社法上は社長の解任は株主や役員などステークホルダーによるものでCLAが直接辞めさせたわけではない」という逃げ道の弁明を言われるのならば、それこそJの地方クラブを審査する見識を疑う。
行政の支援を受ける地方クラブにとって知事の存在は何よりも影響が大きいことが分かっているからこそ県庁宛に送ったのであろうし、尚且つ、これも極めて重要な事実なので再度繰り返すが、クラブライセンス事務局にいた職員がCCメールで県と市とクラブスタッフに今西、服部両氏から辞任届を8月中に提出させる命令を(『必ずです!!忘れてはいけません!!』)びっくりマークを二つも重ねて下している。
経営者(ひとりは経営者ですらなかったが)の「首を切れ」という主体意志がどこに起因するものか明らかである。これを見たとき私はさすがに驚いた。