診断
補強診断 C
今季加入組は現時点でレギュラー陣を脅かすには至っていない。それでも、ウンティティは貴重な左利きのCBとして、CB陣のローテーションの中に組み込まれており、ディーニュもジョルディ・アルバ不在時には及第点の働きを見せている。
一方でMF陣は、デニス・スアレス、アンドレ・ゴメスの両選手ともにフィットしきれていない。高いテクニックを要する両選手だが、現時点でチーム内での役割としてはバランサー、汗かき役が主であり、その中でクオリティを見せつけられる様、早期のアジャストが求められる。
特にゴメスは、ブスケッツの代役やCBなど、本人の意としない起用も多い中で、時に酷評も受けるなど同情すべき点も大いにある。ノーゴールのアルカセルも含め、新戦力がチーム力アップに大きな貢献をしているとは言い難い。
総合力診断 B
ポジティブな要素をあまり挙げてこなかったが、それでもこの位置につけているのはさすがバルセロナである。しかし、昨季の国内2冠達成ですら失敗と言われてしまうチームだ。このままでは外野も黙っていないだろう。CLのベスト16でパリ・サンジェルマンと当たったことは不運であったが、3冠制覇の可能性は十分に残されている。
とはいえ、後半に向けて戦力的にも戦術的にも大きな上積みが期待できるわけではなく、MSN、イニエスタ頼みという流れは変わらなそうだ。が、裏を返せば、彼らが好調であればそれを止められるチームなどほぼ存在しないということである。吉凶がハッキリと出そうな予感だ。
(文・高橋康光)
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