カラスコら若手が一本化。グリーズマンの復調がチーム再浮上のカギに
昨年の同時期と比べて得点数は「29」と7点増加したが、14失点とこちらも6点増加してしまった。後半戦では、アトレティコらしい堅守を取り戻したい。
だが、その点で守護神ヤン・オブラクの離脱は痛い限りだ。また、FIFAの補強禁止処分の影響で新戦力の獲得ができない中で、現有戦力で現状を乗り越えねばならず、今一度シメオネ監督のマネージメント力が問われることになりそうだ。
攻撃陣は、前半戦でブレイクした23歳のヤニック・カラスコを筆頭に、22歳のサウール・ニゲス、そして21歳のアンヘル・コレアといったイキのいい若手選手たちが確実に一本立ちしつつあり、後半戦でさらなる上積みも期待できる。
その一方で気がかりなのがエースのグリーズマンだ。第7節までに6ゴールを荒稼ぎして、9月度のリーガ月間MVPを獲得。昨シーズン以上の活躍を誰もが想像したが、この第7節以降ノーゴールとすっかり音無し状態が続いている。そんな彼の不振と連動するようにチームに負けが込み始めたのは偶然ではない。グリーズマンの復調がチーム再浮上の重要なカギを握っている。
また前半戦の終盤では、ベテランMFチアゴを起用し、ガビと中盤のセンターを組ませたことで守備が安定した。コケもサイドに戻ったことでより攻撃に専念でき、今後に向けて新たなオプションとなるかと思われた矢先にチアゴが負傷してしまった。シメオネ監督の模索はこの先も続きそうだ。
チームの相互理解度はすでに完成の域に達しており、少しのキッカケで復調することは考えられる。シメオネ監督の求心力はもちろん、精神的支柱としてフェルナンド・トーレスやチアゴのベテランの存在感にも期待したい。
【次ページ】診断