“らしさ”が薄れた前半戦。シメオネの契約短縮発表が影響?
1試合消化の少ない首位レアル・マドリーから暫定勝ち点9差の6位という成績はあまりに不本意という以外にない。
開幕から2戦連続でドロー発進とスロースタートとなったが、そこから一気にチーム状態は上向き、11試合に渡って無敗を続けた。この期間中は、大量点で勝利するという、ある意味で“らしくない”ゲームも多く見られた。前半戦も折り返しを迎える第8節時点では首位に立っていたが、第9節のセビージャ戦で今季初黒星を喫する。そして、この第9節からの8試合では3勝1分4敗とこれまでの流れは一変した。
敗れた4チームは、セビージャ、ソシエダ、マドリー、ビジャレアルといずれもポゼッション、パス志向のチームであり、本来アトレティコが得意とするはずのチームであったが、守り切れないゲームが続いた。今季はより攻撃的になったと指摘を受けていたが、大量ゴールで勝利したゲームはいずれも格下相手であり、本格的な変貌を遂げたとは言い難いのが現状だ。昨シーズン同様にポゼッション化では苦しんでいる。
そんな中でも、圧倒的にポゼッションで劣りながらも、アウェイのバルセロナ戦でしっかりと勝ち点1を持ち帰った第5節や、同じくボールを支配されながらもチームトータルで8km以上も走り勝ち、虎の子の1点を死守したチャンピオンズリーグ(CL)グループステージ第3節のバイエルン戦のように、これまでの“らしさ”を発揮したゲームも随所で見られていたのは事実だ。
また、どこまで影響があったのかは現場の人間のみが知るところであるが、9月半ばにシメオネ監督が、自身の2020年までの契約を2018年までに短縮するという異例の発表を行った。
“チョリスモ”(シメオネ主義)と形容されるシメオネ監督の絶対的な求心力がチームの大きな原動力となっているこのグループにおいて、指揮官の気持ちのブレが選手にも少なからず伝染したというのはあるだろう。