「言葉を喋るのが当たり前。自分たちは仕事で行っている」。川島の金言
岡崎慎司(レスター)にしても、正直言って、英語が堪能と言えるレベルにはないが、テレビのインタビューで懸命に回答しようとして、姿勢を前向きに評価されている。昨季イングランド移籍1年目で定位置を確保し、タイトル獲得の一員になれたのも、積極性を強く押し出したからだ。
太田の言うように、異国ではとにかく行動を起こして、自分から周りになじもうとする努力が求められるのは確か。それを貪欲にできるか否かで、ピッチ上の結果も違ってくるだろう。
英語、フランス語、イタリア語など複数言語を巧みに操る川島も「その国に行ったらその国の言葉を喋るのが当たり前というのは普通の考え方。自分たちは仕事で行っているわけだから、それは最低限やるべき。
今の日本のサッカーの立ち位置っていうのは、自分たちが言っていることをちゃんと海外に発信できないといけない立場。そこを忘れちゃいけないと思います」と強調していたが、日本人は自己主張を躊躇しがちなメンタリティを変えるところから始めないといけないのかもしれない。自らの考えをしっかりと周りに伝えようと考えれば、自然と言葉の学習に注力するようになるはずだ。
言葉の壁を言い訳にさせないためにも、海外移籍を目論む若手選手には今から語学学習をスタートさせてもらいたい。そして現在の海外組も言葉によるコミュニケーションの重要性を再認識し、ハードルを超える努力をしてほしいものだ。
(取材・文:元川悦子)
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