「(言葉を理由に)いきなり外された」。太田の驚きと打開策
彼ら2人のようにチーム全体を掌握するMF、あるいは最後尾から指示を出すDF陣、GKの選手は、より外国語のコミュニケーション力が問われる傾向にある。
かつて日本人GKとして初めて欧州挑戦に踏み切った川口能活(相模原)も「自分が考えていた指示の英語が通じなくて、守りがうまくいかないのを全て自分にのせいにされた」と苦渋の表情を浮かべたことがあった。それくらい言葉が話せないことは、大きなマイナス要素になり得るのだ。
オランダでプレーして1年が経過した左サイドバック・太田宏介(フィテッセ)も「代表へ行くと、『お前は言葉が喋れないから使わないと言われた』という話が結構出る」と語っていた。現在のヘンク・フレーザー監督からも面と向かってそう告げられたことを明かす。
「2シーズン目を迎えた今季はプレシーズンも試合に出ていて、いい感じで新シーズンを迎えられるという手ごたえがあった。8月6日の開幕戦(ヴィレムⅡ戦)もスタメン出場して、これからと思っていた矢先に、いきなり外されたんです。監督に理由を聞くと『言葉の問題だ』と。
そこで僕はチームメートと身振り手振りを交えてコミュニケーションを取って、監督の目に見えるようにアピールするようにした。そう仕向けて2ヶ月くらいが経った11月19日のヘーレンフェーン戦でようやく出番が巡ってきて、コンスタントに出られるようになった」と彼は彼なりにアクションを起こし、苦境打開を図ったのだ。