「全然(言葉が)分かんない」。苦悩する清武
日本人選手の海外移籍が年々増え、欧州リーグでプレーする選手も十数年前とは比べ物にならないほど多くなっている。が、外国語を巧みに使いこなせる選手の数はそう増えていない。
言葉によるコミュニケーションが問題なくできるのは、川島永嗣(メス)、長谷部誠(フランクフルト)、吉田麻也(サウサンプトン)、本田圭佑(ミラン)、長友佑都(インテル)、酒井高徳(HSV)くらい(選手所属は16年12月末現在)。それ以外は何かしら苦労を余儀なくされている。そこが日本人の1つの大きなハードルになっていると見る向きも根強い。
4シーズン過ごしたドイツを離れ、今夏からスペイン挑戦に踏み切った清武弘嗣(セビージャ)は、その壁に苦しむ1人。前半戦はリーガエスパニョーラ4試合1得点、チャンピオンズリーグ(CL)1試合、国王杯2試合という出場実績に終わった彼は、重要局面で起用してもらえない要因をこう分析していた。
「僕、全然(言葉が)分かんないですからね(苦笑)。今のチームは(監督のホルヘ・)サンパオリと(ヘッドコーチのファン・マ・)リージョが一緒にやっている感じで、すごい戦術的なサッカーするんで、それを理解できないと大事な時に使ってもらえない。
緊迫したゲームで戦術が分かってないとやっぱりゲームに入れないし、チームにも迷惑かける。実際、戦術理解できてないんじゃないかって思われていると感じますし、自分自身も全てを分かっているかと言われればそうではないと思う。そこは苦労しています」と辛い胸の内を吐露したのだ。
清武が外国語に困惑したのは、ドイツ時代も同様だった。ところがドイツでは事情が違った。