菅野、エスクデロら大型補強も…得点力は中位クラスに留まる
17位で終えた昨季の失敗を繰り返すまいと臨んだ今季、シーズン開幕前は大型補強でチームの約半分を入れ替えた。柏レイソルで不動の地位を築いていたGK菅野孝憲をはじめJ1経験者を数多く獲得し、昇格を目標に掲げた。
しかし、序盤でいきなりつまづく。開幕から5試合勝利がなく、その後も勝ち切れない試合を減らせないままだった。上位5クラブの中で最も多い「15」もの引き分けが、自動昇格争いに絡めなかった所以だろう。
守備に関しては守護神・菅野や菅沼駿哉、アンドレイといった選手たちの頑張りで昨季に比べて大きく改善された。失点数は「51」から「37」に減り、リーグ4番目の少なさだった。一方で勝負弱さを克服できなかった原因は攻撃にある。
京都が今季奪ったゴール数は「50」だった。これはリーグで10番目、つまり中位クラスだ。4位以上のクラブはすべて60得点以上挙げており、攻撃陣の力不足を露呈している。二桁得点を記録した選手が1人もいなかったことも攻撃力不足を証明している。
久々にJリーグ復帰を果たしたエスクデロ競飛王をはじめ、優秀なアタッカーは揃っていた。それでも攻撃は各々の個人技頼みで、彼らの力がチームの力に結びつかなかった。セレッソ大阪と対戦したJ1昇格プレーオフ準決勝では、相手よりも多くシュートを放ちながら終盤までゴールを奪えず、勝ち切れない今季の戦いぶりを象徴する幕切れとなってしまった。
来季は石丸清隆監督が退任し、柏でヘッドコーチを務めていた布部陽功新監督が就任する。補強に関してはいまだに大きな動きはないが、課題が明確なだけに新たな得点源を確保し、今季を超えるチームを作って2010年以来となるJ1への挑戦権をつかみたい。